馬術コラム

Part.1 初めて乗馬をする人へ

馬に慣れる

初めて馬に乗る人は第一に馬を怖がらない事が大切です。そのためには馬に乗る前に馬に触れてみたり、曳いてみたりする、その方が馬に慣れるのに大変効果的です。ただしこの場合、おとなしい馬で行う事、又、乗る場合でも必ずおとなしい馬でなければなりません。特に初心者の場合、第一の先生は馬達だからです。

初心者がおとなしい馬に乗ったら、ほとんどの人は調馬索(紐付き)で30分前後には常歩と速歩の動きを経験する事ができます。中には軽速歩(馬上で立ったり、座ったりすること)までできるようになる人がいますが、最初は決して進度を急ぐ必要はなく、いずれ誰でも出来るようになるので心配する事はありません。大切な事は本人が馬上で怖いという気持がなく、安心して馬上にいられる事です。それによっておのずと進度は早まるでしょう。

当クラブの乗馬教室は、1コース 4 回(1 回 30 分)になっておりますが、最終の4回目には小さい円形馬場で指導者のもと、一人でも常歩と速歩が出来るようになり軽速歩も出来るようになります。これが乗馬教室1コース4回の大体の内容です。

乗馬の練習の目安

常歩は、一番ゆっくりとした動きで上下振動(反動)のない歩き方なので誰でも安心して馬上にいる事が出来ます。速歩は、一番上下振動のある動きですが、初心者には上下振動が低く柔らかい馬が最適です。初めは静座速歩(お尻を鞍につける)で馬の動きに慣れる練習をしますが、騎手が馬上でリラックスして柔らかく安定したバランスが得られてきたら軽速歩(馬上で鐙を踏んで立ったり座ったりする乗り方)の練習をします。

駈歩は速歩ほどの上下振動はありませんが、速さがあります。慣れると快適ですが、速歩よりも速さがあるので少しずつ駈歩の動きに慣れましょう。駈歩の練習に入る時期はいつかというと、自分で自由に馬を常歩させたり、速歩・停止・左右への回転を出来るようになった時、そして、特に少し速い速度の速歩でも怖がらずに静座速歩や軽速歩を自由にこなせる様になった時です。このような人はおとなしい馬であれば調馬索で駈歩の練習をする事が出来ます。

練習の仕方としては、最初は手綱と鞍を一緒に持ちます(鞍の前に捕助革がある)。そして駈歩の動きにつき易くするために上体を少し後傾するようにして馬上での安定を図ります。初めは両手で鞍に頼って駈歩の動きに慣れていきますが、慣れ次第片手を鞍から離し途中で反対の手を離したりしてバランスを探ります。

このような動作を怖がらずにバランスよく出来るようになったらタイミングをみて鞍から両手を離し手綱だけを持ち駈歩の動きに入っていきます(指導員の見極めが大事)。そうすると意外や意外、結構鞍に頼らなくても駈歩の動きについていくことが出来ます。ただし、この時注意する事はもし馬が途中で速歩になったらあわてずに、すぐ軽速歩をとって馬の動きについていくことです。そうすることによってバランスも乱されないですみます。

駈歩の練習の 2 つのポイントは駈歩中上体を少し起こし気味にして、お尻を鞍につけておく事と、もう一つは、もし急に速歩になったらすみやかに軽速歩をとることです。この動作に慣れたら駈歩での不安が無くなり、むしろ楽しく感じられるようになるでしょう。駈歩の練習に入るためには最低30鞍ぐらいの常歩と速歩を交互に行う練習と、静座速歩と軽速歩の速さの変化を交えた交互の練習を数多くやった方がその後の練習に大変効果的です。”急がば回れ”で自分自身を過信せず、しかし積極的に練習をしましょう。誰でもいずれは駈歩が出来るのですから。

鞍数目標
1~30鞍常歩・速歩騎乗を主体に軽速歩を含めて自由に簡単な図形騎 乗が出来るようにします。
31~50 鞍駈歩騎乗を主体とした練習します。
51~70 鞍前傾騎乗や第1課目の騎乗が出来るように練習します。
71~100 鞍横木通過や低障害飛越(高さ60~80cm)の騎乗が出来るようにします。
101~300 鞍第2課目や第3課目低障害のコース騎乗(クロスバー障害・80~90cm垂直障害・幅障害)
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