馬術コラム

Part3 騎乗時間割

私たちが1頭の馬に騎乗する場合、その騎乗時間は約1時間と考えます。ただし、人馬の状態や騎乗目的によって若干の違いがあります。若馬や若い騎手(初心者の意味)の場合は体力面や健康面を考えて、騎乗時間を多少短縮したりしますが、経験馬や経験のある乗り手の場合は通常1時間程度の騎乗時間とし、状況によっては通常よりも時間を延長することもあります。

ここに示す騎乗時間割は経験馬と中、上級者の組み合わせを想定したもので、これは一般的な基準時間です。

  1. 準備運動期(約 15~20 分)
  2. 本運動期 (約 30~40分)
  3. 整理運動期(約 5~10 分)
  4.   沈静運動期(約 5~10 分)

1.準備運動期(柔軟運動)

初め自由常歩にて馬場内を大きく両手前を行進します。その後、3種の歩法および各種の歩度変換を組み合わせて馬体の柔軟を図ります。そして最終的に、特に速歩または駈歩にて頭頸の伸展運動作を行い、馬体の柔軟性とハミ受けを確認します。

2.本運動期(技術的向上)

その馬に応じた運動課目を実施しながら、馬にその運動課目の理解を深めます。ここでは馬体の柔軟性を図ることを第一目的とします。
その後、馬のレベルに合わせて各種の運動を組み合わせ、馬の進度を図ります。
若馬の場合は、馬体の柔軟性を図りいろいろな図形運動を馴らしていきます。
いわゆる、トレーニングスケールの初めの3段階の確立にあります。

3.整理運動期(緊張の緩和)

本作業である程度目的を達成することができたら、あまり長時間馬に多くのことを要求せず、再び頭頸の伸展を両手前速歩または駈歩で確認します。それによって本作業での馬の精神的重圧と肉体的疲労を取り除くことができます。

4.沈静運動期(呼吸の整え)

整理運動で頭頸の伸展動作を確認した後、常歩へ移行し全面的に手綱を伸ばして自由常歩で馬の呼吸を整えます。この時、馬場内外を自由に常歩行進するのは、馬の心身のためにとても有効です。
ただし、騎手は手綱をすべて伸ばしつつも、正しい姿勢と脚扶助を馬に与えることを忘れないようにします。もしも、手綱を長く伸ばせないようであれば、長めの手綱で少しコンタクトを取りながらクールダウンをしましょう。落ち着かない馬の場合は、蛇乗りをしながら馬を落ち着けましょう。

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